住職・若院の部屋

2024.02.26  仏婦例会 広長舌相(こうじょうぜっそう)

 2月の仏教讃歌はダーナの日にちなんで、九条武子さん作詞の『聖夜』(作曲中山晋平)を、季節の歌は『ひなまつり』を歌いました。聖夜には「ガンジズ河の真砂より あまたおわするほとけたち」とあります。『仏説阿弥陀経』の「恒河沙数諸佛」(ごうがしゃしゅしょぶつ)の説示に依るものです。

 「阿弥陀経のこころ」は、その後にある「出広長舌相・徧覆三千・大千世界・説誠実言」を学びました。「仏の証である様々な身体の特徴の一つで、小さくは顔面、大きくは三千大千世界(大宇宙)を覆うほどの大きさの舌。仏がこれを示すと、その言説には噓偽りがなく、それが真実であるとの決定的な証となる。」と説かれました。 仏教では、【両舌】という罪悪があり、「二人の人に対して、異なったことを言い、仲を悪くして争わせる」罪悪と教えます。そこで生まれたのが二枚舌ということばです。

 ところが、今起こっているパレスチナ紛争の原因ともなった【イギリスの三枚舌外交】の事を学習しました。人間は、二枚舌どころか三枚舌まで使って、それが何千年にも渡り、何万人もの犠牲と苦しみ・悲しみを生む結果となっている現実。“仏は真実を説く〝ということが如何に大切なことであるかを、共々に学びました。

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